2007年06月30日

アメリカ西海岸観光旅行(2)

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ガイドブックによるとゴールデンゲイトブリッジは車で渡るのなら5分程度、歩いて渡ると40分程度だそうです。
気温は長袖一枚ではちょっと肌寒いという程度で運動には最適だったものの日差しが強く、40分歩くのはきついかなという感じでした。とはいえ5分ではロクに写真も撮れません。

そんな中で発見したのが「ゴールデンゲートブリッジを自転車で渡る」というツアーでした。
ツアーといっても要は自転車をレンタルして橋を渡り、渡った先の湾沿いにぐるっと回りこむように走って湾の先からフェリーで戻ってくるというもの。
総走行距離は28kmということで、普段自転車に乗りなれていないため自転車の速度というのがいまひとつ分かりませんでしたが、ジョギングすると時速10kmとするなら自転車でそれより遅いということはないだろうから写真を撮りながら走っても3時間か…と計算。それぐらいなら楽しい経験でいいだろうと申し込んだのです。


いや…とんだ大誤算でした。

自転車をレンタルした桟橋(海面レベル)からゴールデンゲイトブリッジははるか上に臨めたのですから、考えてみればそれだけの高さを上らなくては橋に行き着けないのは当然のこと。
しかも前日、ケーブルカーが走るのがふさわしいほどの斜面を経験していたのに…。
自転車をレンタルしようと試し乗りした瞬間、なんか異様にブレーキの効く自転車だと思いましたが、途中何箇所かの下り坂ではその意味が分かりました。あれでブレーキが甘かったら大事故ですわ。

ハイ、28kmは28kmでも、「楽しいサイクリング」とは程遠い、耐久レースにでも出ているのか?というような過酷な旅でございました。
アップダウンはきついし、サイクリングロードが切れてる箇所も多くて車はびゅんびゅん走っているし、陽射しは強いし、自転車は乗りなれないし。

肝心のゴールデンゲイトブリッジを渡っていたのは写真を撮っていた時間を入れてもせいぜい10分程度だったでしょうか。
それ以外の4時間半は苦難の連続でした。

ゴールデンゲートブリッジに辿りつくころには既に自転車という選択を後悔していたものの、もう後戻りは効かず、それに同行者に疲れたと先にギブアップするのも何となくプライドが許さず、黙々と走り続けていました。

それでも一本道の間は良かったのですが。
町に入るとそうもいかず、また地図を見たときは単に海を見ながら走ればいいんじゃんと思っていたのが実は走る場所からは海は見えないということが判明し、結局他のバイクライダーを見ながらその背中について走るということをしていました。
といってもこっちは乗りなれないのですぐ引き離されてしまうんですけどね。

狭い道で追い抜かれるときに何度か"On your left!"と声をかけられ、そっかー追い抜くときにはこう言って声をかければいいんだなと発見、追い抜くときには使ってみようと思ったものの私に追い抜かれてくれる自転車などそうそういなかったのが残念です(でも2回使いました)。

事件は人気も少なくなった五差路で起こりました…。
同行者が前を走っていたのですが、私は後ろに固定していた荷物が落ちてしまったのでそれを拾いなおしていたところ、同行者を見失ってしまいました。
どちらに行ったのか分からず、しばらく待ってみましたが戻ってくる気配もなく。
戻ってくるよりはしばらく行ったところで待っているのだろうと私も進むことにしたのですが、どちらに行っていいのか分かりません。
通りかかった人に地図を見せながら尋ね、「それはあの道だ」と指差し確認で教えてもらった道に進んだのですが、これが大間違いでした。

走っていたら高速に入る道へと行ってしまいそうになり、慌てて近くにあったホームセンターなんだかガーデンショップなんだか、とにかく植木鉢の花を買い込んで車に積み込んでいた男性に「すみません、ここに行きたいのですが」と再び地図確認。
全然行きかたが違っていたことが判明したのですが、そこまで下り坂だっただけに戻れば上り坂、相当へばっていたので戻りたくありません。戻らずに正しいルートに戻る道を尋ねたところ、近道があるから着いておいで、連れていってあげる、と親切に誘導してくれました。

とても親切でしたが、そうはいっても車の後ろを自転車でついていくのですからスピードが違います。ゆっくり走ってくれるものの、あまり遅くても申し訳ないと思うので必死に自分なりの最高速度で坂も漕ぎ上り、正しいルートが見えてきたときはぜいはあ状態でした。
それでもとても助かったのでお礼を言って別れ、再びサイクリングしている人達を目にしたこともあってちょっとほっとし、一休みするかと木陰に自転車を止めて日焼け止めを塗りなおしです。
SPF50の日焼け止めをべたべたと塗っていたとはいえ、運動すれば汗かくだろうしと短パンで出ていたのが裏目、腿をはじめかなりの日焼けの気配が出ていたのです。

ぺたぺたと日焼け止めを塗っていたところ、大きな黒い犬を二匹つれた女性が歩道を通りかかりました。
一匹が不思議そうに私の方に寄ってきて臭いをかぎ始めたので、"Hi, there."と頭をなでなでしたところもう一匹も寄ってきて、犬好きとしては大きな黒い頭を擦り付けられて気分は最高です。思わず何時間かぶりの笑顔になりましたよ。

様子をうかがっていた飼い主さんは、ちょっとためらっていましたが「日焼け止め、十分持ってる?」と尋ねてきたので、「大丈夫です。それにしてもすごい陽射しですね」といったところ、「この数年特にすごいのよ。短パンでは無理だと思うわ」と言うのですが、そんなこと言われてもどうにもなりません。「まあ大丈夫ですよ」と答えたところ、その人はなんと「良かったらジーパンあげるからそれをはいていかない?日焼けは大変よ」と言うではないですか。膝が破れているのがあるから、それだったら日焼け止めには十分なるけどもう返さなくていいというのです。
ためらいましたが日焼けはかなり危険な様相をしめしていたのは事実で、「ありがとうございます」と着いていくことにしました。

その人の住まいはそこから歩いて5分ほどのところ。
お邪魔してジーパンをもらったところ、ジャストサイズでした。
さらに飲物を勧められ、遠慮なくジュースをいただいて、しばしおしゃべりにいそしみました。
その間二匹の犬はずっと傍にいて、私がぎゅっと抱っこしてもこっちにおいでと引き寄せても嫌な顔せずつきあってくれたので幸せな気分でした。
「私も犬が買いたいんですけど、東京のアパートメントでは通常それは許されていないんです」なんていう話からその人は「私も昔東京に行ったことがあるけど、犬飼うどころか人間が暮らしているのも不思議なぐらいの混み具合だったわ」と懐かしそう。「いつか犬が飼えたら、こうやってぎゅっと抱きしめられるような大きい犬が飼いたいんですよ」といえば「そうそう!だから私も大きい犬が好きなの」と話は弾み、サイクリングの経緯やサンフランシスコの印象、その人の日本旅行体験談と随分と話しこみました。
飲物をいただき休憩してとかなり疲れがとれたので、「ありがとうございました、そろそろ行きます」と立ち上がったときには「何か食べていかない?」と引き止められるほど。
とても楽しかったので心ひかれるお誘いではありましたが、やはり先が気になっていたのと、それにそのお誘いがどこまで京都のぶぶづけなのか(「茶漬け食べていかれませんか」という挨拶は「そろそろ帰れ」だという話)分からず、お暇しました。
が、その人はちょっと待ってねと庭に消え、戻ってきたときには一厘のユリの花を手にしていました。
「強い花だから持っていって」とのことで(ちゃんと水対策もしてありました)、折角なのでリュックに刺し、旅を続けました。

そこからも多少は迷ったものの、なんとか最終的にはフェリー発着所に到着。
待っていた友人(彼女もその五差路で別の間違ったコースに行ってしまったようで苦労したそうです。私が到着する少し前に着いたばかりだったそうで。)は、迷ったあげく遅い時間に現れた私がなぜかジーパンを履き、背中には黄色いユリを背負っているとう状況に驚いていました。

なんというか地獄の特訓のような数時間でしたが、その中で会ったその車で誘導してくれた男性と、見ず知らずの私にジーパンと飲物を勧めてくれた女性には大感謝です。これぞ地獄で仏。

その女性とはメールアドレスを交換したので、昨夜帰国してからお礼のメールを送りました。今日返信が来ていて、「あの時のあなたを見たら、放っておける人がいたかどうか疑わしいわ。顔色は蒼白だし足は日焼けしているし」だそうで、相当ひどい様子に見えた模様です。

とはいえ、とにかく(手に小さな切り傷を作った以外は)怪我もなく、無事にサンフランシスコの桟橋に戻れたときには心からほっとしました…。
posted by ひかり at 04:02| Comment(6) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あら!我が家も黒の大型犬です。(早い話が黒ラブ)
犬が人懐っこいと、飼い主さんも大体フレンドリーな方が多いです。素敵な出会いと、ハードな運動で盛りだくさんの1日でしたね。
追伸:筋肉痛は大丈夫でしたか?
Posted by DORA at 2007年06月30日 22:09
その犬も黒ラブ系でしたよ。でもそれにしてはやや長毛。レトリーバーは可愛いですよね。いくら犬好きでもこれが寄ってきたのがロットワイラーだったりしたらちょっとなでなでは出来なかったような気がします。愛されてるな〜という犬でした。

おかげさまで筋肉痛はたいしたことなかったです。が、日焼けが…。
Posted by ひかり at 2007年07月01日 18:43
こんにちは、ひかりさん。

それはそれは大変なサイクリングでしたね。その親切な女性の方が放っておけないほどひどい状態と思ったということは、本当にすごい日焼けだったのでしょうね。話し込んだにも関わらず、友人の方も少し前に到着だったなんて、友人の方も相当大変だったのでしょうね。

>迷ったあげく遅い時間に現れた私がなぜかジーパンを履き、背中には黄色いユリを背負っているとう状況に驚いていました。

いやぁ、それは驚くでしょう。怪しいですよ、黄色いゆりを持ってサイクリングする人なんて。70年代の実写ヒーロー番組の正義の味方のようですよ。

でも無事に日本に帰られたようで何よりです。私は最近やっとひかりさんにいただいたお煎餅を開け(←もったいないからずっと取っておいた)食べ始めました。とてもおいしいですー。毎日少しずつ食べています。(←貧乏性…。)ありがとうございました。
Posted by kbt at 2007年07月03日 08:10
kbtさん、こんにちは。

いやー、暑かったです。
朝晩はジャケット1枚では寒いぐらいなのに、寒暖の差が激しいですね。
そして気温以上にこたえたのが日光でした。すごい紫外線ですよ、あれ。

友人も苦労したようでした。私より体力はありますが英語はあまり得意でないということで相当不安もあったと思います。でも彼女も海外一人旅しなれているツワモノなので、そうはいっても日中の街中ですからお互い本当の意味での心配はしていませんでしたが。メールでの連絡は取れましたし。携帯って素晴らしいです。

70年代ヒーローですか!
その女性のメールによると、自転車でこぎ去っていった私は
>I have to say you looked really
great when you rode away from here --
very international, with a hint of the
1960's flower child essence that is so
appropriate for San Francisco.
だそうです。

flower childっていうのはヒッピーのことらしいですね。
ヒーローの方がいいなっ!

それにしてもこういう親切は身に染みます。
私も東京で困っている外国人には出来ることはしてあげようと思います。

おせんべ、気に入ってもらえたなら良かったです。
またご帰国の際は教えてくださいね。
Posted by ひかり at 2007年07月03日 23:49
なるほどね、これはやっぱり Golden State だよ。NYじゃぁ、なさそうだよね。フィリーでも。

同性愛者じゃないといいけど。
Posted by YOZO at 2007年07月06日 23:37
下心のない親切だったと思いますよ。外国にいるときは特に警戒心の強いタイプなので、いろんな意味で十分注意はしています。

私が行った週はたまたまGay Weekだったそうで、パレードだのrainbow flagだのが街一杯でした。
Posted by ひかり at 2007年07月07日 22:14
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祝!ど-てい卒業しました!
Excerpt: 西川先生みたいな女の人に37マモナ買ってもらえました! 
Weblog: けいた
Tracked: 2007-06-30 13:01
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