2008年01月19日

「報復」(ジリアン・ホフマン)

何年か前に出版されたときに本屋で平積みになっていた頃から存在は知っていたのですが、なんとなく「ハーレク○ン系じゃないの?」と手を出していませんでした。(ハー○クインが悪いとかではないですけどお金を払ってまで読む気はしません。)

たまたま面白かったという感想を聞いたのを機会に読んでみました。

筆力はあって読み出したら読み止められないという意味では確かに面白かったです。ただ、真犯人がかなり前半で分かってしまうし、重要な手がかりを優秀なはずの登場人物が見逃してしまうので、サスペンスとしての面白さは今ひとつというところでした。

ただ、プロローグにあたる部分の数ページは面白かった!
というのもこの話、主人公の女性が翌月にニューヨーク州司法試験を控えた状況で始まるのです。
アシスタントとして法律事務所で働いた経験をもち、優秀で成績もトップクラスという若い彼女がそれでもデートの時間も惜しく勉強と勉強のプレッシャーに追われ予備校とグループ学習に通い詰めています。「ろくに眠る時間もなしに集中講義からグループ学習へと走り回っているときなのよ。」なんて語りがあったりして、そっかー、3年勉強してきたトップクラスの人でもこういうプレッシャーを感じるのかぁと妙に嬉しくなりました。
(もちろん小説ではありますが作者の経歴からするとは同じ道を通ってきたようです)

テーマも面白かったです。
彼女は被告人が犯人であることを知っている。だがそれを立証する証拠は違法収拾証拠で証拠能力はない。ただそれが違法収拾証拠であることは彼女しか知らない。そういう状況で、彼女は適切手続きを守る正しい検察官であるべきか、それとも自分が正義と信じることを実現するためにそれが違法収拾証拠であることを知りつつ加担するか。

常に難しい問題だと思います。
私がこれをもっとも強烈に意識したのは、オ○ムの事件のときでした。あの当時、信者はカッターを所持していたなどという些細な理由で銃刀法違反だと逮捕されたりして、明らかに理由の方が後付でした。
試験問題で問われれば適正手続きに反していると回答せざるを得なかったでしょう。でも、それでは警察はもっと重大な犯罪行為が繰り返されるまで放置するべきだったのかといえば否と思います。
でもそのような超法規的措置を認めることは、今後の人権侵害につながっていくのではという危険を考えないわけにはいかないわけで…。

というわけで、ちょっと小説的な面白さとは違った部分で面白かったという感じですが、とりあえず続編も読んでみようかなと思ってます。
posted by ひかり at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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